ITツール・アプリ紹介

今すぐ、独自のオンラインショップを始められるサービス3選

商品の販売を手がけるお店、企業にとって、現在は商品をどこで販売するかという「チャネル」を幅広い選択肢の中から選べる時代になりました。実店舗をもつのが難しい場合でも、インターネット上のさまざまなオンラインショッピングモールに出店するだけで、多くの消費者に商品のことを知ってもらい、販売に結びつけられます。

決済手段の用意や配送の手間をほとんど考えなくて良いショッピングモールもあり、出店のハードルは大きく下がりました。手軽にオンラインショップを始められるこうしたサービスを活用することで、ユニークでニッチな商材を取り扱うような場合でも、ビジネスとして成り立つようになりました。

しかし、取り扱い商品の性格やブランディング戦略を考えると、自ら運営する独自のオンラインショップ(ECサイト)を開設したい、と思うお店もあるのではないでしょうか。これまで独自にECサイトを立ち上げるには、デザイン面で魅力的なWebサイトを作れるか、決済方法をどのようにして用意するか、といった点が最大の課題として立ちはだかっていました。リソース・技術不足から独自のECサイトを諦めてしまったお店も少なくないはずです。

ところが最近では、それらの課題を解決し、手軽に独自のECサイトをつくることができるサービスが登場してきました。ここでは、簡単な手続きですぐに独自のオンラインショップを開設できるサービスを3つ紹介します。

スマートフォンアプリからの流入も見込める「BASE」

単にオンラインショップ運営サービスを提供するだけではなく、1つの大きなプラットフォームとして展開しているのが「BASE」です。消費者向けのスマートフォン向けアプリケーションが用意されており、自分のお店の商品に加えて、BASEで開設した無数のオンラインショップの商品を横串で見ていくことができます。お店は独自のECサイトを運営しながら、大手オンラインショッピングモールのようなメリットも享受できるわけです。

BASEのスマートフォンアプリ

ブログ機能があるのも特長です。商品に関する補足やセール情報を掲載するなど、自社の商品をアピールするいわばオウンドメディアとして活用でき、ECサイト本体と連動させることが可能。さらに、BASEの運営会社が手がけるメディア「BASE Mag.」にブログ記事が掲載される場合もあるので、効果的なプロモーションにつなげられます。アプリとブログの連携で、販売力を底上げできるのが魅力のサービスと言えるでしょう。

消費者の会員登録、決済手続きの手間を省ける「STORES」

決済手段が豊富に用意されているサービスが「STORES」です。クレジットカードや銀行振込に対応しているのはもちろんのこと、代金引換やPayPal、Amazon Pay、楽天ペイにも対応しています。PayPalは特に海外でメジャーな決済サービスで、クレジットカード番号をECサイト上で入力することなく安全に利用できることから、最近では日本国内のユーザーにも広く知られるようになってきました。

Amazon Payは、日本最大級のショッピングサイトAmazon.co.jpに登録している会員情報をそのまま使うことができるものです。Amazonを利用したことのある消費者なら、初めてあなたのECサイトを利用する場合でも会員登録などが不要で、手間なく買い物できるようになります。

また、楽天ペイは購入者の支払額などに応じて楽天ポイントが貯まる仕組みです。日本国内では利用者の多いポイントサービスなので、これに対応していることで消費者のお店選びの動機の1つとなることも考えられるのではないでしょうか。

世界中に商品を届けたいお店には「Shopify」

「Shopify」の管理画面

海外に向けて商品を販売するのに向いているのが「Shopify」です。BASEもSTORESも日本語と英語に対応しており、海外向けに商品を販売することも可能ですが、Shopifyは海外発のサービスということもあって、各国に最適化された多様な決済手段を用意しています。

日本国内向けの決済方法だけでも10種類以上あり、世界各国向けの決済手段を合計すると1000種類にも上るとしています。多言語への対応も幅広く、商品の販売ページや決済ページでは、最大50言語で表記できるようになっています。

管理画面が標準で英語になっているのは気になるところかもしれません。日本語化して使いやすくすることもできますが、特定のWebブラウザを利用し、専用の拡張機能を導入しなければならないなど、ひと手間必要になります。しかし、日本ならではの商品を海外向けに販売する、といったような用途では、未知のことも多い海外進出に向けてしっかりサポートしてくれるに違いありません。

スモールスタートから大規模運営までカバー

どのサービスもECサイトの見た目を多彩なデザインテンプレートから選べます

いずれのサービスにも共通しているのは、あらかじめ用意されている多彩なデザインテンプレートを選ぶだけで、見栄えの良いECサイトができあがること。有形の商品だけでなく、映像や音楽のような無形のデジタルコンテンツの販売にも対応し、独自ドメインでの運用も可能です。

導入直後から使える基本機能はどのサービスも控えめですが、ECサイトに求められるあらゆるニーズに応えるため、運営会社自身や第三者がECサイトの機能を追加する多数の「アプリ」を配布している点に注目したいところです。例えばデジタルコンテンツの販売、メールマガジンの配信、ユーザーレビューの機能などはこの「アプリ」の追加によって実現します。

「アプリ」により機能を追加することが可能です

これにより、最初は少ない品ぞろえでシンプルに販売したい、というときに、最小限の手間でECサイトを素早く立ち上げられます。さらにその後、サイト運営に慣れるに従って消費者動向を分析したり、ブログやソーシャルネットワークと連携したりしつつ、徐々に売上の拡大を図る、といった応用も可能になります。

どのサービスでも、オンラインショップを簡単に、手早く始められるという点では変わりません。しかし、サービスごと、あるいは各サービスで用意しているプランごとに月額費用や決済手数料が異なる点には注意しましょう。今回解説した各サービスの特長を踏まえながら、取扱商品の数や単価、想定売上規模、ターゲットとしている消費者などに合わせて、どのサービスのどのプランが適しているか考えることも重要です。

オンラインショップ作成サービスの比較