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中小企業応援士の全国大会を初開催:中小機構
2024年 2月 27日
中小機構は、全国で190名が活躍している中小企業応援士による「第1回中小企業応援士全国大会」を、26日に東京都千代田区の丸ビルホール&カンファレンススクエアで開催した。これまで、各地域やオンラインでの応援士意見交換会を実施してきたが、今回、地域の垣根を超えて応援士が初めて一堂に会し、全国の多種多様な経営者等との意見交換やネットワークの構築に取り組んだ。
豊永厚志中小機構理事長が開会のあいさつとして「中小企業応援士は、中小企業に最も身近なところで応援していただける存在として、令和元年から始めた。これまで累計290名の方が応援士になっていただいた。現役の応援士を終えても、卒業ではなく終身応援士であると考えていただきたい」と活動への期待を述べた。
基調講演には清宮克幸日本ラグビーフットボール協会副会長が登壇。ヤマハ発動機監督として、会社が経営危機下にあった中で、ラグビー部を日本一に導いた経験を語った。清宮氏は「戦力が不足している状況でも、自分たちだけのオリジナルやスタイルを貫けば勝利を得ることはできる」などと、中小企業経営にも役立つ教訓を語った。
その後、6つのグループに分かれてグループディスカッションを実施、具体的な経営課題を示して、その対処法をグループごとに発表した。与えられたテーマは、「金属加工業を営む60代半ばの社長は、売り上げが伸び悩んでおり、新規販路拡大を狙いたいがやり方が分からない。社員も50~60代が中心で、若手は覇気がない」というもの。自身の会社が抱える経営課題に近いテーマであるため、各グループの議論も自然と熱がこもったものとなった。ディスカッションの最中に自社の悩みを他の経営者に吐露するような場面も見られた。各グループは検討内容を発表し、「オリジナリティーのある商品開発をする」「販路拡大のために戦略的広報に挑戦する」「徹底した経営の可視化をはかり、社員が一番という思いで、方針を伝えていく」「社員全員で市場調査をやり、目指すべき方向を一致させる」などの意見が出された。
中小企業応援士は、令和元年度から開始した取り組みで、企業経営や地域の発展に顕著な功労のあった各地の経営者や地域支援機関の方々に対して「中小企業応援士」を委嘱し、中小機構とともに地域経済の発展と中小企業の活躍を目指すこととしている。今回、初めて全国大会を開催したことで、各地の応援士が直接顔を合わせ、それぞれの経営の悩みや自社の経営ノウハウを率直に話し合う貴重な機会となった。