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真の「事業継続力」をテーマに強靭化シンポを開催:中小機構

2023年 9月 4日

関東大震災からちょうど100年となる日に開催された強靭化シンポ

中小機構は「防災の日」の9月1日、中小企業「強靭化」シンポジウムを東京都港区の赤坂インターシティコンファレンスで開催した。シンポはオンラインでも同時配信された。強靭化シンポは今年度2回目。今年度は「強靱な経営に向けて『事業継続力』を研ぎ澄ます!」をテーマとし、事業継続計画(BCP)や、その簡易版である事業継続力強化計画(ジギョケイ)の策定に留まらず、危機発生時の“真の対応力”の鍛え方に焦点を当てている。

シンポでは講演(写真上)とパネルディスカッションが行われた

関東大震災からちょうど100年となる日に開催されたシンポは「あらゆる危機を乗り越える真の『事業継続力』とは」がテーマ。まず竹中工務店の岡林宏一・総務室総務部専門役が「長寿企業の『事業継続力』の源泉とは」とのタイトルで講演。400年超の歴史を有する同社が関東大震災や阪神・淡路大震災、東日本大震災でどう行動し、それぞれどんな教訓を得たかについて説明したうえで、岡林氏は「非常時に向けての平時の備えが大事で、それが顧客からの満足や信用、信頼を得ることになり、企業価値の向上につながる」と話した。

続いて行われたパネルディスカッションでは、おごと温泉旅館協同組合(滋賀県大津市)の金子憲之専務理事、中島プレス工業(埼玉県越谷市)の小松崎いずみ代表取締役、浜松運送(静岡県浜松市)の村松正巳代表取締役が登壇。このうち小松崎氏は、事務所が全焼する火災の後、近所の町工場や住民の助けを得て早期に操業できたという経験を踏まえ、連携型の事業継続力強化計画を策定。「火事と違って自然災害では地域一帯が被災する。みんなでどう助け合うか一緒に考えてくれることが心強い」と話した。

おごと温泉旅館協同組合も連携型を策定しており、金子氏は「(組合の9軒の旅館は)温泉を発展させようと日ごろから良好な関係を築いている。(計画を)明文化したことで協力関係を再確認できた」と語った。一方、村松氏は、「消火栓を使って夏場に打ち水をすることで、いざというときに備えて使い方を確認しているとともに、ホースが劣化していないかなどをチェックしている。非常時に必要となるものを日常的に使用することが大事」と話した。