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「課題設定型支援」OJT事業の中間報告会を開催:関東経産局

2023年 3月 15日

さいたま市内で開催された中間報告会では5つの商工会議所が発表を行った

関東経済産業局は3月14日、商工会議所の経営指導員を対象に行った「経営力再構築伴走支援に係るOJT事業」の中間報告会をさいたま市内で開催した。会合では、同事業に参加している5つの商工会議所の経営指導員が発表。支援先の企業との傾聴と対話によって経営者の本音を引き出そうとするコミュニケーション力の重要性を認識したとの声が相次いで聞かれた。

同事業は、中小・小規模事業者の本質的な経営課題を見極めて解決につなげていく「課題設定型支援」のノウハウを中堅・若手の経営指導員にOJTを通じて身につけてもらうことを目的としている。今年度は土浦商工会議所(茨城県)、前橋商工会議所(群馬県)、高崎商工会議所(同)、所沢商工会議所(埼玉県)、浜松商工会議所(静岡県)が参加。関東経産局の官民合同企業支援チームとともに、支援先となる各地域の企業を月1、2回訪問し、経営者や社員へのインタビューを通じて各企業の本質的な課題を見いだしていく「課題設定」を実施。そのうえで経営者が課題解決に取り組めるよう支援を進めている。

会合で土浦商工会議所は経営者らへのインタビューについて「傾聴と対話で本音を引き出した。コミュニケーション力の重要性を強く感じた」と強調。一方で、前橋商工会議所は「インタビューで社長がこう話していた、といった臨場感を(他の職員らに)伝えきれない」との課題を挙げ、高崎商工会議所は「会議所内で支援業務を展開していくうえで、支援の現場を体感してもらうことが大事」と話した。

また所沢商工会議所は「ヒト・モノ・カネの多面的な分析を行うことによって、付け焼刃ではない本質的な支援を学ぶことができた」と成果を述べ、浜松商工会議所は「来年度以降、支援先発掘のため『未来構想塾』を開催し、2社程度を対象にフォローアップ事業を実施する」との目標を明らかにした。

発表を受けて埼玉県商工会議所連合会広域指導員の黒澤元国氏と関東経産局の太田雄彦局長が講評。このうち太田局長は「伴走支援には総合力が求められる。各商工会議所の取り組みには感心した」と述べた。関東経産局では来年度も同事業を継続したいとしている。

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