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「第44期経営後継者研修」終講式、24人が研修の成果を発表:中小企業大学校東京校

2024年 7月 22日

修了証書を手に記念撮影する第44回経営後継者研修の研修生

中小機構が運営する中小企業大学校東京校(東京都東大和市)は、7月18、19の両日、「第44期経営後継者研修」のゼミナール論文発表会と終講式を行った。参加した経営者候補24人が10カ月間の研修の集大成となる論文を披露。奥田裕二校長から修了証書を授与された。

終講式に先立ち2日間にわたって行われたゼミナール論文発表会では、ゼミ講師や派遣元企業の社長らが見守るなか、自社の経営内容を分析し、将来ビジョンや事業戦略についてプレゼンテーションした。

論文を発表する株式会社フクシンの福岡良大氏

埼玉県朝霞市の発送代行サービス業、株式会社フクシンから研修に派遣された福岡良大(りょうた)氏は「後継者として考えるビジョンの共有」というテーマで論文を発表。「入社して半年ほどで研修に参加した。研修を通じて、経営理念や会社の沿革など自分の会社を俯瞰してみることができた。あいまいだった自分の意思を固めることもできた。入社前に学んでもよかったと感じた」と話していた。

有限会社タカヨシ工業所の曽我部紗代氏

また、今期は開講以来、過去最多となる6人の女性経営者候補が研修に参加した。その一人、愛媛県西条市の部品製造業、有限会社タカヨシ工業所から研修に派遣された曽我部紗代氏は跡を継ぐ決心がつかない中で、自分自身で受講を決めたという。「跡を継ぐか、継がないか2つに1つしかないと思っていたが、研修を受けて気持ちの整理ができた。後継しながら、自分のやりたいこともする、という新しい選択肢を見出した」と晴れやかな表情で話していた。

終講式では奥田裕二校長が一人ひとりに修了証書を手渡した

終講式で、奥田裕二校長は「『運は実力のうち』と話す経営者は多い。運とは何か。運というのは人との出会いだ。研修を通じて、支え合う仲間と出会った。ものすごいアドバンテージだ。人的ネットワークを大切に長い経営者人生を乗り切ってほしい」とエールを送った。

経営後継者研修は全国9カ所にある中小企業大学校のうち、東京校のみが実施している経営者育成プログラム。事業を引き継ぐ後継者に必要な知識や能力を実践的に授けるカリキュラムが特徴で、毎年10月から翌年7月まで集中して学ぶ。これまでに850人以上が卒業し、全国各地で経営者や経営幹部として活躍している。

詳しくは、中小機構のホームページへ。