RoHS指令の基礎
J-Moss規格「JISC0950」が改定されました
2008年2月1日
わが国では、資源有効利用促進法が2006年3月に政令改正、4月に省令改正が行われ、下記の7品目の電気電子機器に特定の6種類の化学物質(鉛、水銀、カドミウム、6価クロム、PBB、PBDE)が基準値を超えて含有する場合は、JIS C 0950に従ってオレンジマークで含有の表示をする義務が設けられています。
- テレビ受像機
- パーソナルコンピュータ
- ユニット型エアコンディショナ
- 電気冷蔵庫
- 電気洗濯機
- 電子レンジ
- 衣類乾燥機
6種類の特定の化学物質の含有値が基準以下の場合には、グリーンマークを貼付しても良いことになっています。また、指定された7品目以外の電気・電子機器に対しても、JIS C 0950-2005を準用することができることになっています。
すなわち、オレンジマークは7品目の電気・電子機器に対しては貼付の義務があります。また、7品目の電気・電子機器楽器やそれ以外の楽器などの指定された品目範囲の製品にはグリーマークの貼付することができることになっています。しかし、グリーンマークの貼付は自己宣言ででき、明確な罰則規定がないことから、近時問題となっている偽装表示の問題が提起されていました。
このため、表示の基準となるJIS C 0950が2008年1月20日に改定されました(JIS C 0950-2008)。指定7品目のオレンジマークの貼付義務に関して変更はありませんが、旧規格JIS C 0950-2005にありました「附属書Dグリーンマークを表示する場合」の部分が削除されています。すなわち、グリーンマークを貼付できる基準がなくなることになります。
このため、指定7品目の電気・電子機器へのグリーンマークを表示するためのガイドラインが(社)電子情報技術産業協会が事務局となり発行されました。
表示に当たっては、指定7品目の関連工業団体名で作成された「業界ガイドライン」の規定に従う必要があります。このガイドインはJISC0950- 2008とリンクしていますので、セットで使用することが求められています。ガイドラインは(社)電子情報技術産業協会から入手できます。詳しくは下記の URLをご参照ください。
他方、7品目以外の電気・電子機器についてはグリーンマークの貼付が認められないことになります。
なお、旧規格JIS C 0950-2005は2008年7月31日まで有効ですが、新旧の部分的な併用はできないことになっています。
(林 譲)
当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。
情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会