第8話 足元がお留守

海外進出をするに相応しい実力をアフロが持っているか試してやろうと拳を構える老師。アフロの全力の連続攻撃をいとも簡単に躱し、「足元がお留守になってるのっ」と素早く足払いを見舞う老師。足を払われ、豪快に尻餅をついたアフロに「足元。つまり…そもそも国内の経営が安定していない。それでは海外事業など無理。」と説く老師になんか上手いこと言われた気がするアフロであった。

解説は蛇足ですね。老師の言うとおりです。国内ビジネスも海外ビジネスも基礎は一緒です。海外事業に失敗しているケースを見ると、そもそもビジネスの基本的な部分ができていないことがあります。損益分岐点などを意識していなかったり、契約を口約束で進めてしまったり……。取引相手の文化・商習慣・規制・情報量の違いなど、国内取引では意識していなかったようなことも意識する必要があります。時期尚早と判断した場合は、進出を見なおすことも大切な判断です。

【SWBS支援者コラム】
意義が大きな判断ポイント

あなたの会社にとって「海外進出の意義」はなんでしょうか? 海外進出するかの判断基準として重要なポイントです。厳しい言い方をすれば、意義がなければ海外に活路を求めてはいけません。意義があれば進出する先に何かのメリットを提供したいと考えるでしょう。自社の製品や技術・サービスのすばらしさを進出国に伝えて、共感してもらって、文化のなかに取り込んでもらう。「周りが行くから」「国内での売り上げに限界を感じているから」、「海外進出のメリットは自社だけにある」という考えなら、進出を見直すことことも大切な判断です。

海外ビジネスは農耕型ビジネス

では、海外進出を勧めないのかといえば違います。「それだけの覚悟がありますか?」ということ。海外で成功している中小企業は、海外進出における意義を持っています。「なぜ、海外に進出するのか」「なぜ、この国を選んだのか」「進出してシェアを獲得することで、お互いがどんなメリットがあるのか」。海外ビジネスは農耕ビジネス。すぐに刈り取れません。利益も人材も現地での成功も長い目で見ることが必要です。進出する国、人材のメリットを考えて、創り上げて、提供できるか判断する。これこそ真のグローバル企業です。

コラム執筆者

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