市場調査データ
居酒屋(2017年版)
居酒屋に関しては、男性の利用率が高い一方、女性の利用意向も高く、とくに30代~50代女性に潤沢な潜在需要が存在していると考えられる。以下では、居酒屋について、消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査結果を基に探っていく。
1. 現在の利用状況
現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で41%、男性49%、女性33%であり、男性の利用率の方が高い(表1、図1)。
年代別・性別でみて利用率がとくに高いのは、20代・50代男性(51%)、40代男性(50%)などである。男性の場合は、ほぼ全ての年代において利用率が高く、女性の場合は、若い年代であるほど利用率が高い、という傾向がみられる。
表1 現在の利用状況
図1 現在の利用状況
利用頻度に関しては、利用者全体で、「年に1回以下(31%)」が最も多く、次いで「2~3カ月に1回(17%)」、「半年に1回(16%)」、「月に1回(16%)」などの利用が多い(図2)。
年代別・性別でみて利用頻度が高いのは20代男性であり、20代男性利用者の59%が「月に1回」以上、20%が「週に1回」以上、居酒屋を利用している。また、わずかではあるが、「ほぼ毎日」利用しているユーザーも存在している。
図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
1回あたりの利用金額に関しては、利用者全体でみると、「3,000円~5,000円未満」での利用が47%と最も多く、次いで、「1,000円~3,000円未満(35%)」での利用が多い(図3)。
全体のバーの「3,000円~5,000円未満」の上のラインが50%の水準(中央値)の上近くに位置していることから、およそ3,000円を若干上回るあたりが1回あたりの利用金額の相場であろうと推定される。また、20代男性は、利用頻度は高いものの、居酒屋を安く(3,000円未満の価格帯で)利用している人が多い。
図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
2. 今後の利用意向
今後「ぜひ利用したい」と「どちらかといえば利用したい(まあ利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で52%、男性56%、女性49%であり、男性の利用意向の方が高い(表2、図4)。
一方、居酒屋の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、全体で79%、男性82%、女性76%であり、こちらも男性の利用意向の方が高い。
利用意向に関しては、男性では、ほぼ全ての年代において高く、女性では、30代中心に高くなっている、という傾向がみられる。
表2 今後の利用意向
図4 今後の利用意向
積極的利用意向から実際の利用率を除いた潜在需要(積極的潜在需要)は、30代~50代女性と30代男性に比較的多く存在している(図5)。
居酒屋の利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、20代~50代女性と30代男性に潤沢に存在していると考えられる。
居酒屋に関しては、とくに30代~50代女性の潜在需要の高さが顕著である。このことは、「これら女性の利用意向が高い反面、彼女らのニーズに応えられる居酒屋が少ない」という背景があるとも考えられる。30代~50代の女性が居心地よく飲食できる居酒屋の店舗づくりが成されれば、この潤沢な潜在需要を開拓することは可能だといえる。
図5 潜在需要
(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)
調査概要
- 調査期間:
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2017年3月14日~3月16日
- 調査対象:
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国内在住の20代~60代男女(有効回答数:1,000人)
- 調査方法:
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インターネットによるアンケート調査
最終内容確認2017年3月