市場調査データ
ビデオ・DVDレンタル店
ビデオ・DVDレンタル店は、手頃な料金で楽しめる娯楽性、大手チェーン店の増加による利便性などを背景に、若い女性を中心に人気が高い。以下では、ビデオ・DVDレンタル店についての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査を元に探っていく。
1. 現在の利用状況
現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で50%、男性48%、女性51%となっており、女性の方が男性よりも若干利用率が高い(表1、図1)。年代・性別で見ると、最も利用しているのは20代女性(64%)であり、次いで、20代・40代男性(58%)、30代女性(57%)、30代男性(54%)の順に利用率が高い。
また、全体的に「利用経験あるが、現在利用していない」の割合が大きく、リピート率が低いことも窺える。
表1 現在の利用状況
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図1 現在の利用状況
利用頻度は、概ね若い年代であるほど高い(図2)。利用頻度が比較的高いのは20代~40代の男性であると言える。たとえば20代男性利用経験者の46%と30代・40代男性利用経験者の42%が月に1回以上利用し、30代男性利用経験者の28%と20代男性利用経験者の27%が月に2~3回以上利用している。週に1回以上利用するヘビーユーザーは、30代男性利用経験者の15%、40代男性利用経験者の13%、そして20代男性利用経験者の10%などとなっている。
図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
1回あたり利用金額は、全体で500円未満が多い(図3)。利用経験者全体の43%が500円未満の範囲内で利用し、60%が700円未満の範囲内で利用し、81%が1000円未満の範囲内で利用している。
1回あたりの利用金額は概ね男性で高い。たとえば30代男性では、利用経験者の55%が1回あたりに700円以上を使い、34%が1回あたりに1000円以上を使っている。
図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
2. 今後の利用意向
「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、概ね若い年代であるほど高い(表2、図4)。また、60代以外では女性の方が男性よりも利用意向が高い。
ビデオ・DVDレンタル店の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)も概ね若い年代であるほど高い。とくに20代女性で高く、消極的利用意向は92%に達している。
表2 今後の利用意向
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図4 今後の利用意向
積極的潜在需要(積極的利用意向-利用率)は、既に高い利用率を背景に、総じてマイナスになっている(図5)。
ビデオ・DVDレンタル店の利用に否定的な意向を持たない層をも加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、全ての年代・性別にほぼ満遍なく分布している。
利用率の高い20代~40代の需要を維持し、全体的にリピート率を上げつつ、利用に中立的な人達の関心をいかに喚起し、具体的なニーズに結び付けていくかが、今後の成功の鍵と言える。
図5 潜在需要
※改正著作権法が2010年1月1日に施行され、音声及び映像データを違法コンテンツと知りながらダウンロードする行為は違法となった。さらに、2012年10月1日からは、違法ダウンロードに対し刑事罰が導入されることとなった。この法改正の動きは、ビデオ・DVDレンタル店にとって追い風であると言えるだろう。消費者も、正しく店舗を利用することになり、利用者の回帰につながっている。
(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)
調査概要
- 調査期間:
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2009年6月25日~7月9日
- 調査対象:
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株式会社ベンチャー・リンク 消費者モニター組織「コンシューマー・アイズ」のモニター会員、全国20代~60代男女(有効回答数:1192人)
- 調査方法:
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インターネットによるアンケート調査
最終内容確認日2013年9月