市場調査データ

自動販売機(飲料)(2021年版)

2021年 9月21日

自動販売機(飲料)は、性別・年齢問わず幅広く市場に浸透している小売媒体である。また、若年層には未だ潜在需要も眠っている。以下では、自動販売機(飲料)についての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査結果を基に探っていく。

1. 現在の利用状況

現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で63%、男性64%、女性62%であり、男女ともに利用率は高い(表1、図1)。
年代別・性別にみると、利用率はすべての年代・性別で5割を超えるが、とくに50代男性(69%)、40代女性(68%)における利用率が他の層に比べて高い。
また、「利用経験あるが、現在利用していない」の割合が利用率に比べて小さいことから、リピート率も高いと考えられる。

表1 現在の利用状況

表1 現在の利用状況

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図1 現在の利用状況

図1 現在の利用状況

利用頻度に関しては、「月に1回」以上利用する人は全体で46%、男性55%、女性38%と、男性の方が高い(図2)。
男性利用経験者のうち、「月に1回」以上利用するユーザーは、40代で61%、50代で57%と他の年代に比べて高い。また、30代~50代男性の利用経験者においては、「ほぼ毎日」利用しているというユーザーが10%以上存在している。一方、女性利用経験者のうち、「月に1回」以上利用するユーザーは、30~60代では3割台であるのに対し20代では52%と、唯一5割を超えている。

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

1回あたり利用金額は、300円未満がほとんどである(図3)。
また、わずかではあるが「300円から500円未満」の範囲内でまとめ買いをするユーザーも、30代男性(12%)、20代女性(10%)、50代女性(10%)などに存在している(図3)。

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

2. 今後の利用意向

今後「ぜひ利用したい」と「どちらかといえば利用したい(まあ利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で48%、男性50%、女性47%であり、男女ともに高い。性別・年代別にみても、すべての層で40~50%台と幅広く分布している(表2、図4)。
自動販売機(飲料)の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、50代女性を除く全ての年代・性別で70%を超えており、高い水準にある。

表2 今後の利用意向

表2 今後の利用意向

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図4 今後の利用意向

図4 今後の利用意向

積極的利用意向から実際の利用率を除いた潜在需要(積極的潜在需要)は、高い利用率を背景に、すべての年代・性別でマイナスになっている(図5)。
また、自動販売機(飲料)の利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、20代女性(24%)、20代男性(22%)、40代男性(21%)に比較的多く存在している。
高い利用率を背景に、市場はすでに飽和状態に近い状態にあるが、20代の男女や40代男性などには、未だ潜在需要が眠っていると考えられる。利用率・リピート率の高い40~50代男性を今後も狙いつつも、若年層の関心を喚起して更なる需要を開拓していくことも有効である。

図5 潜在需要

図5 潜在需要

(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元にした一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

調査概要

調査期間:

2021年7月14日~7月16日

調査対象:

国内在住の20代~60代男女(有効回答数:1,000人)

調査方法:

インターネットによるアンケート調査

最終内容確認日 2021年7月

関連記事