市場調査データ
酒類(焼酎)販売
米、麦、芋、黒糖、そば、栗などを主原料として醸造される焼酎は種類も多く、近年の焼酎ブームの影響もあって、ファンが増えてきている。以下では、酒類 (焼酎)販売についての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査結果を元に探っていく。
1. 現在の利用状況
現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で48%、男性49%、女性46%となっている(表1、図1)。
年代別・性別に見ると、利用率が最も高いのは60代男性(69%)であり、次いで、50代男性(60%)、50代女性(55%)などの順となっている。利用率、「よく利用している」の比率ともに、60代男性と50代女性を中心に高いといえる。
また、「利用経験あるが、現在利用していない」の割合が利用率に比べて小さいことから、リピート率も高いとも考えられる。
表1 現在の利用状況
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図1 現在の利用状況
利用頻度は、「ほぼ毎日」から「3年に1回未満」まで、幅広く分布している(図2)。
ボリュームゾーンとしては、「月に2~3回」から「2~3カ月に1回」程度の利用者が比較的多く、利用経験者全体の53%を占めている。「週に1回」以上利用するヘビーユーザーは利用経験者全体の15%程度と考えられる。
図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
1回あたり利用金額は、300円未満から30,000円以上までと幅広い(図3)。
また、「1,500~2,000円未満」の価格帯がグラフの50%の水準に位置していることから、「1,500~2,000円未満」が、1回あたり利用金額の一般的な相場(中央値)であろうと推察できる。
利用金額が比較的高いのは、50代男性であり、50代男性利用経験者のうち、1回に2,000円以上を使うユーザーの割合は58%、1回に3,000円以上を使うユーザーの割合は39%となっている。
図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
2. 今後の利用意向
今後「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で47%、男性47%、女性48%であり、比較的高いといえる(表2、図4)。
酒類 (焼酎)販売の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、20代男女を除く全ての年代・性別で50%を超えている。
また、積極的利用意向、消極的利用意向ともに、60代男性と50代女性を中心に高くなっている。
表2 今後の利用意向
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図4 今後の利用意向
積極的利用意向から実際の利用率を除いた潜在需要(積極的潜在需要)は、既に高い利用率を背景にゼロやマイナスが目立つが、50代以上女性には依然として潜在需要が残っている(図5)。
酒類 (焼酎)販売の利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、全ての年代・性別に幅広く分布している。
焼酎は元来、中高年齢者を中心に人気の高い商品であるが、それでもなお50代以上女性には積極的な意志を持った潜在需要が残っている。かつ、全ての年代・性別の無関心層の中にも大きな潜在需要が眠っている。50代以上の女性はもとより、より幅広い層をターゲットとして捉え、無関心層の関心を喚起するよう働きかければ、さらなる需要の開拓が可能であるといえる。
図5 潜在需要
※総務省統計局「家計調査(総世帯調査)」によると、家計1世帯が焼酎にかける年間支出金額平均は、2008年に6,441円だったものが2012年には5,708円にまで減ってきている。焼酎ブームの落ち着きにより、傾向として利用率等は若干下がってきているとも考えられる。
(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)
調査概要
- 調査期間:
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2012年6月2日~6月29日
- 調査対象:
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国内在住の20~60代男女(有効回答数:1,084人)
- 調査方法:
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インターネットによるアンケート調査
最終内容確認日2013年9月