市場調査データ
食材宅配サービス(2021年版)
2022年 1月14日
夫婦共働き世帯の増加、外出機会の少ない高齢者世帯の増加などから、食材宅配サービスへの期待は大きく、幅広い年代・性別で同サービスへの潜在需要が存在していると考えられる。以下では、食材宅配サービスについての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査を元に探っていく。
1. 現在の利用状況
現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で12%、男性9%、女性16%となっており、女性の方が利用率は高い(表1、図1)。
最も利用率が高いのは60代女性(18%)であり、40代男性(5%)の利用率が低い。
表1 現在の利用状況
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図1 現在の利用状況
利用頻度に関しては、「半年に1回」以上利用するユーザーは、全体で62%、男性58%、女性64%であり、30代男性と40代女性が7割を超えている(図2)。
年代・性別にみると、「週に1回」以上利用しているユーザーは、特に40代女性で高い。
図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
1回あたり利用金額は、全体で「1,000~3,000円未満」がボリュームゾーンと言える(図3)。利用経験者全体のうち、33%が「1,000~3,000円未満」の範囲内で利用し、19%が「3,000~5,000円以上」の範囲内で利用している。
「1,000~3,000円未満」の範囲内で利用するユーザーは、50代女性(50%)が高く、その他の年代では女性よりも男性の方が高い。
図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
2. 今後の利用意向
今後「ぜひ利用したい」と「どちらかといえば利用したい」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で19%、男性14%、女性24%であり、女性の方が利用意向は高い。性別・年代別にみると、20~30代女性の層で特に高くなっている(表2、図4)。
食材宅配サービスの利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、60代男性を除く、残りの性別・年代で50%を超えている。特に20代女性は81%と、極めて高い水準にある。
表2 今後の利用意向
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図4 今後の利用意向
積極的利用意向から実際の利用率を除いた潜在需要(積極的潜在需要)は、20~30代女性(12%)に比較的多く存在している(図5)。
また、食材宅配サービスの利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)も、すべての性別・年代で30~60%台と幅広く分布している。
20代・30代そして60代などを中心に幅広い層の関心をいかに喚起し、実際の利用に結びつけていくかが、今後の成功の鍵といえるだろう。また、図1で、「利用経験あるが、現在利用していない」人の割合が利用率と比べるとやや高く、リピーターが定着しにくい様子もうかがえるので、季節感ある食材の案内や調理方法の紹介など、既存顧客のリピート率向上のための努力も必要だといえる。
図5 潜在需要
(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元にした一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)
調査概要
- 調査期間:
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2021年9月7日~9月8日
- 調査対象:
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国内在住の20代~60代男女(有効回答数:1,000人)
- 調査方法:
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インターネットによるアンケート調査
最終内容確認日2021年9月