市場調査データ
健康・自然食品店
健康・自然食品店は、高齢化にともなう健康志向の高まりを背景に、中高年以上の層で根強い人気がある。以下では、健康・自然食品店ついての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査結果を元に探っていく。
1. 現在の利用状況
現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で13%、男性10%、女性15%であり、女性の方が利用率が高い(表1、図1)。
年代・性別に見ると、利用率が最も高いのは30代女性(19%)であり、次いで、40代女性(18%)、50代女性(17%)などの順となっている。
また、全ての年代・性別において、利用率に比べ「利用経験あるが、現在利用していない」の割合が高く、リピーターが定着しにくい様子もうかがえる。
表1 現在の利用状況
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図1 現在の利用状況
利用頻度に関しては、40~50代女性、そして60代男性で比較的高いといえる(図2)。利用経験者のうち、「月に2~3回」以上利用するユーザーの比率は、50~60代女性が16%、60代男性が15%、40代女性が14%となっている。
図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
1回あたり利用金額は、「1,000~2,000円未満」がボリュームゾーンであると考えられる(図3)。利用経験者全体の45%が「1,000~2,000円未満」の範囲内で利用し、76%が「500~2,500円未満」の範囲内で利用している。
また、「1,200~1,500円未満」がグラフの50%の水準に位置していることから、「1,200~1,500円未満」が、1回あたり利用金額の一般的な相場(中央値)であると考えられる。
利用金額が比較的高いのは、50~60代女性と60代男性であるといえる。利用経験者のうち、1回あたりに2,000円以上を使うユーザーの割合は、60代女性で48%、50代女性で43%、60代男性で35%となっている。
図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
2. 今後の利用意向
今後「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で23%、男性17%、女性28%であり、女性の方が利用意向が高い(表2、図4)。
健康・自然食品店の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、男女ともに30代を中心に高くなっている。とくに20~40代女性と20~30代男性で60%以上となっている。
表2 今後の利用意向
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図4 今後の利用意向
積極的利用意向から実際の利用率を除いた潜在需要(積極的潜在需要)は、全ての年代・性別でプラスとなっており、とくに若い年代の女性に多く存在していると考えられる(図5)。
健康・自然食品店の利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、女性では20代を中心に、男性では30代を中心に幅広い年代に存在していると考えられる。
今後は、若い年代を中心とした幅広い層の関心をいかに喚起し、新たな来店利用に結びつけていくかが、成功の鍵といえるだろう。
また、リピート率向上に向けた施策を実施していくことも重要と考えられる。ポイントカードの導入や、新商品やその効能に関する情報をメールマガジンで提供するなど、来店頻度の向上や顧客を飽きさせないための工夫も必要だといえる。
図5 潜在需要
※平均寿命の伸長による体力・健康維持の必要性、原発事故による大気汚染や汚染水の問題などといった背景から、日本人の健康への関心は年々、高まりを見せていると言える。本レポートのアンケート調査は2011年に行われたものであるが、現在の利用率等は傾向として上がってきているとも考えられる。
(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)
調査概要
- 調査期間:
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2011年7月9日~7月18日
- 調査対象:
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国内在住の20~60代男女(有効回答数:1,033人)
- 調査方法:
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インターネットによるアンケート調査
最終内容確認日2013年9月