市場調査データ
健康食品・自然食品通信販売
健康食品・自然食品通信販売は、高齢者に人気の高いサービスの一つである。また、東日本大震災以降、健康や食品に対する消費者の意識の高まりは著しい。以下では、健康食品・自然食品通信販売についての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査結果を元に探っていく。
1. 現在の利用状況
現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で32%、男性22%、女性43%であり、女性の方が利用率が高い(表1、図1)。
年代・性別に見ると、男女共に年代が高いほど利用率は高く、「よく利用している」の比率においても、同様の傾向が見られる。
利用率が最も高いのは、60代女性(56%)であり、次いで50代女性(48%)、40代女性(46%)、30代女性(37%)などの順に高くなっている。
表1 現在の利用状況
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図1 現在の利用状況
利用頻度に関しては、全体で「月に1回」と「2~3カ月に1回」の利用が多い(図2)。この「月に1回」と「2~3カ月に1回」の利用経験者で全体の42%を占める。
年代・性別にはバラツキがあるが、ほぼ毎日利用しているユーザーも各年代にわずかながら存在している。
図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
1回あたり利用金額は、無料から3万円以上まで幅広く分布している(図3)。
また、「1,500円~2,000円未満」と「2,000円~3,000円未満」の境がグラフの50%のやや上に位置していることから、2,000円を少し上回った金額が、1回あたり利用金額の一般的な相場(中央値)であると推定できる。
年代別では、おおむね年代が高いほど、利用金額は高いといえる。利用経験者のうち、1回に3,000円以上を使うユーザーは、50代女性(49%)、60代女性(48%)、60代男性(46%)、40代女性(43%)、50代男性(40%)の順となっている。
図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
2. 今後の利用意向
今後「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で32%、男性21%、女性42%であり、女性の方が利用意向が高い(表2、図4)。また、積極的利用意向は、高い年代であるほど高いといえる。
健康食品・自然食品通信販売の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、全体で50%を超えており比較的高いといえる。
表2 今後の利用意向
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図4 今後の利用意向
積極的利用意向から実際の利用率を除いた潜在需要(積極的潜在需要)は、既に高い利用率を背景に、20代・50代女性と60代男性でわずかにプラスとなっている(図5)。
健康食品・自然食品通信販売の利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、若い年代を中心に存在していると考えられる。
高い利用率を背景に、市場は飽和状態に近い状態にあると考えられるが、若い年代を中心に、未だ喚起されていない潜在需要も存在していると考えられる。利用率の高い既存顧客(女性、中高年齢者)の囲い込みに注力するとともに、健康食品・自然食品通信販売に無関心な若い年代層の開拓を行うとも重要だと考えられる。
図5 潜在需要
※平均寿命の伸長による体力・健康維持の必要性、原発事故による大気汚染や汚染水の問題などといった背景から、日本人の健康への関心は年々、高まりを見せていると言える。本レポートのアンケート調査は2012年に行われたものであるが、現在の利用率等は傾向として上がってきているとも考えられる。
(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)
調査概要
- 調査期間:
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2012年6月2日~6月29日
- 調査対象:
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国内在住の20~60代男女(有効回答数:1,084人)
- 調査方法:
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インターネットによるアンケート調査
最終内容確認日2013年9月