市場調査データ
園芸店
園芸店で取り扱われる商品は、花卉・種苗のほか、園芸用培土、肥料、農薬、石材・彫刻置物など、多岐にわたる。ワンストップでガーデニング関連商品のほとんどを取り扱うため、固定客を獲得することができれば売上拡大に対する効果は大きいといえる。以下では、園芸店についての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査を元に探っていく。
1. 現在の利用状況
現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で39%、男性30%、女性49%であり、女性の利用率が高い(表1、図1)。
年代・性別に見ると、利用率が最も高いのは60代女性(79%)であり、次いで60代男性(58%)、50代女性(55%)などが続く。男性よりも女性、そして高い年代であるほど利用率は高いといえる。
表1 現在の利用状況
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図1 現在の利用状況
利用頻度に関しては、利用経験者全体で、「2~3カ月に1回(24%)」が最も多く、次いで「月に1回(19%)」「半年に1回(15%)」などが多い(図2)。
利用率の最も高い60代女性では、利用経験者の65%が「2~3カ月に1回」以上、36%が「月に1回」以上、12%が「月に2~3回」以上の頻度で利用している。
図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
1回あたり利用金額は、利用経験者全体で、1,000円~2,000円未満の範囲がボリュームゾーンだといえる(図3)。この範囲内に利用経験者全体の48%が収まっている。また、「1,200円~1,500円未満」がグラフの50%の水準に位置していることから、「1,200円~1,500円未満」が1回あたり利用金額の一般的な相場(中央値)だと考えられる。
図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
2. 今後の利用意向
「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で42%、男性30%、女性55%であり、女性の利用意向が高い(表2、図4)。また、高い年代であるほど利用意向は高い。
園芸店の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、高い年代の女性であるほど高く、60代女性では88%に達している。一方、男性に関しては、若年層と高い年代で利用意向が高く、20代で63%、60代で71%の利用意向となっている。
表2 今後の利用意向
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図4 今後の利用意向
積極的潜在需要(積極的利用意向-利用率)は、20代男女と30代女性を中心に存在していると考えられる(図5)。
園芸店の利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、男女ともに若い年代であるほど多いといえる。
高い年代の女性の利用率を維持しつつ、若年層(とくに女性)の関心をいかに喚起し、実際の来店に結びつけていくかが、今後の成功の鍵といえるだろう。また、季節に応じた特別販売の実施や定期的な品揃えの見直しなどで既存顧客の固定客化を図ることも重要だといえる。
図5 潜在需要
※総務省統計局「家計調査(総世帯調査)」によると、家計1世帯が園芸品・同用品にかける年間支出金額平均は、2010年で7,682円、2012年で7,538円と、ほぼ同水準で推移している。本レポートのアンケート調査は2010年に行われたものであるが、現在の利用状況も大きな変化は無いと考えられる。
(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)
調査概要
- 調査期間:
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2010年8月3日~8月23日、11月19日~24日
- 調査対象:
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WizBiz株式会社 消費者モニター組織「コンシューマー・アイズ」のモニター会員、全国20代~60代男女(有効回答数:1249人)
- 調査方法:
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インターネットによるアンケート調査
最終内容確認日2013年9月