市場調査データ
自転車販売(修理)店
自転車は、不況による節約志向、エコロジーや健康志向を背景に注目を集めていたが、東日本大震災を機に、その身軽さや便利さが改めて見直されるに至っている。以下では、自転車販売(修理)店についての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査結果を元に探っていく。
1. 現在の利用状況
現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で27%、男性28%、女性26%であり、やや男性の利用率の方が高い(表1、図1)。
年代・性別に見ると、利用率は全体的に概ね20%台に収まっているが、40~50代男女や60代男性で比較的高いといえる。
表1 現在の利用状況
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図1 現在の利用状況
利用頻度は、20代男性と40代男女で比較的高いといえる(図2)。利用経験者のうち、「半年に1回」以上利用するユーザーの比率は、40代女性が20%、40代男性が19%、20代男性が17%となっている。
全体的に見れば、「2~3年に1回」と「3年に1回未満」の区分の境がグラフのほぼ50%の水準に位置していることから、「3年に1回」が利用経験者の一般的な利用頻度(中央値)であると推定できる。
図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
1回あたり利用金額に関しては、販売と修理のサービスが並存するため、金額に幅が見られる(図3)。全体では、利用経験者の19%が新車購入等で1回に10,000円以上を使っているが、45%が修理等で1回に1,200円未満を使っている。
図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
2. 今後の利用意向
今後「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で31%、男性28%、女性34%であり、女性の利用意向の方が高い(表2、図4)。
自転車販売(修理)店の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、60代女性を除く全ての年代・性別で60%を超えている。
消極的利用意向の分布は、男性では30~40代、女性では40代をピークとして全ての年代に広がっている。
表2 今後の利用意向
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図4 今後の利用意向
積極的利用意向から実際の利用率を除いた潜在需要(積極的潜在需要)は、40代を中心とした女性に比較的多く存在していると考えられる(図5)。
自転車販売(修理)店の利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、20~40代女性と30代男性を中心に幅広い層に存在していると考えられる。
今後は、20~40代女性と30代男性を中心とした幅広い層の関心をいかに喚起し、さらなる来店利用に結びつけていくかが、成功の鍵といえるだろう。加えて図1からは、利用率に比べ「利用経験あるが、現在利用していない」の割合が高く、リピーターが定着しにくい様子もうかがえるため、リピート率向上に向けた施策を実施していくことも重要と考えられる。
図5 潜在需要
※総務省統計局「家計調査(総世帯調査)」によると、家計1世帯が自転車購入にかける年間支出金額平均は、2008年には2,844円だったのが2012年には2,475円にまで減少してきている。本レポートのアンケート調査は2011年に行われたものであるが、現在の利用率等も傾向として若干下がっているとも考えられる。
(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)
調査概要
- 調査期間:
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2011年7月9日~7月18日
- 調査対象:
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国内在住の20~60代男女(有効回答数:1,033人)
- 調査方法:
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インターネットによるアンケート調査
最終内容確認日2013年9月