市場調査データ

100円ショップ

100円ショップは、高い利用率を背景に、市場は飽和状態になりつつあると推察されるが、一部の層には、未だ潜在需要が眠っているとも考えられる。以下では、100円ショップについて、消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査結果を基に探っていく。

1. 現在の利用状況

現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で82%、男性74%、女性89%であり、女性の方が男性よりも利用率が高い(表1、図1)。

また、「よく利用している」と回答したリピート客は、男性(20%)では20代を中心に、女性(24%)では40代を中心に多く存在していると考えられる。

表1 現在の利用状況

表1 現在の利用状況

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図1 現在の利用状況

図1 現在の利用状況

利用頻度に関しては、利用者全体で、「月に2~3回(27%)」が最も多く、次いで、「月に1回(24%)」、「2~3カ月に1回(18%)」での利用が多い(図2)。

年代別・性別では、20代男性の利用頻度が比較的高く、20代男性利用者のうち、27%が「週に1回」以上、8%が「ほぼ毎日」利用している。また、40代女性利用者の54%が「月に2~3回」以上、60代女性利用者の74%が「月に1回」以上、定期的に利用している。

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

1回あたりの利用金額に関しては、利用者全体で、「300円~500円未満」での利用が40%と最も多い(図3)。次いで「300円未満(29%)」、「500円~1,000円未満(25%)」での利用が多い。また、1回に5,000円以上を使うユーザーも、20代~40代男性に、わずかではあるが存在している。

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

2. 今後の利用意向

今後「ぜひ利用したい」と「どちらかといえば利用したい(まあ利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で84%、男性77%、女性90%であり、女性の利用意向の方が高い(表2、図4)。とくに、30代・40代女性の利用意向は94%に達している。

一方、100円ショップの利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、全体で97%、男性95%、女性99%であり、男女とも極めて高い水準にある。

表2 今後の利用意向

表2 今後の利用意向

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図4 今後の利用意向

図4 今後の利用意向

積極的利用意向から実際の利用率を除いた潜在需要(積極的潜在需要)は、40代男性と60代女性以外の層にわずかながら存在している(図5)。

100円ショップの利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、男性に比較的多く存在していると考えられる。

いずれの層においても、すでに高い利用率を背景に、市場は飽和状態になりつつあると推察されるが、20代男性などには、未だ潜在需要が眠っていると考えられる。すでに高い利用率を維持しつつ、これらの層をターゲットとして、潜在需要を開拓していくことが、今後の100円ショップの販売促進においては有効であると考えられる。

図5 潜在需要

図5 潜在需要

(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

調査概要

調査期間:

2017年3月14日~3月16日

調査対象:

国内在住の20代~60代男女(有効回答数:1,000人)

調査方法:

インターネットによるアンケート調査

最終内容確認日2017年3月