調査
全産業の業況判断2期ぶり低下、仕入単価は調査開始以来の最高:7-9月期中小企業業況調査
2022年 9月 30日
中小企業庁と中小機構が9月30日発表した2022年7-9月期の「中小企業景況調査」によると、全産業の業況判断DI(「好転」と回答した企業比率から「悪化」と回答した企業比率を引いた値)はマイナス19.5(前期差5.1ポイント減)となり、2期ぶりに低下した。原油・原材料価格の上昇を反映し、全産業の原材料・商品仕入単価DIは1980年の調査開始以来の最高値を記録した。
業況判断DIを産業別にみると、製造業がマイナス15.2(同2.5ポイント減)となり、3期ぶりに低下した。業種別では、家具・装備品、木材・木製品、電気・情報通信機械器具・電子部門など9業種で低下。化学、窯業・土石製品、印刷など4業種で上昇した。繊維工業は横ばいだった。
非製造業はマイナス21.0(同5.9ポイント減)で、2期ぶりに低下した。このうち、卸売業はマイナス18.5(同9.0ポイント減)、サービス業はマイナス18.8(同8.9ポイント減)、小売業はマイナス27.8(同3.9ポイント減)と低下した。建設業はマイナス13.6(同1.1ポイント増)と上昇した。
10-12月期の見通しでは、全産業で6.9ポイント増とマイナス幅縮小が見込まれている。
全産業の原材料・商品仕入単価DIは、前期より3.2ポイント増の70.6と9期連続の上昇。産業別では小売業で6.1ポイント増、サービス業で4.1ポイント増となった。卸売業、製造業、建設業が過去最高値を更新するなどすべての産業でプラス幅が拡大した。一方で、売上単価・客単価DIをみると、製造業と卸売業で全産業の平均値を上回ったものの、小売業やサービス業では平均値以下やマイナスの業種があり、川下の産業ほど価格転嫁に遅れがみられている。
中小企業景況調査は全国の中小企業約1万9000社を対象に四半期ごとに実施している。今回は9月1日時点の景況感を全国の商工会、商工会議所の経営指導員や中小企業団体中央会の情報連絡員が訪問して聴き取った。1万8132社から有効回答(有効回答率96.2%)を得た。
詳しくは、中小機構のホームページへ。