調査

コスト増響き、ほぼ横ばい:日商6月業況

2022年 7月 1日

日本商工会議所がまとめた6月の「商工会議所LOBO(早期景気観測)調査」によると、全産業合計の業況DI(好転と回答した割合から悪化と答えた割合を差し引いた値)はマイナス20.3で、前月に比べて0.1ポイント増とほぼ横ばいとなった。飲食・宿泊関連を中心にサービス業の業況が改善する一方、資源・資材価格の高騰、輸入物価の上昇により、製造業や卸売業で悪化に転じた。コスト増に見合うだけの価格転嫁が進んでいないことも続いている。

業種別にみると、サービス業はマイナス4.4(前月比4.9ポイント増)、建設業はマイナス29.3(同2.0ポイント増)とそれぞれ改善した。これに対し、製造業はマイナス19.8(同4.4ポイント減)と悪化し、卸売業はマイナス22.0(同1.8ポイント減)、小売業はマイナス32.2(同0.4ポイント減)となった。

7~9月の先行き見通しDIはマイナス20.8で、6月に比べて0.5ポイントの悪化を見込む。需要喚起策や外国人観光客の受け入れ再開で、売上回復への期待感が高まる一方、物価高による消費マインドの低下を危惧する声も多い。円安の急伸や資源・資材価格の高騰に企業の価格転嫁は追いついておらず、物価高の長期化懸念から、先行きは厳しい見方が続く。

調査は全国332商工会議所の会員2589社を対象に、6月15日~21日に実施した。このうち2063社から有効回答(回答率79.7%)を得た。

詳しくは日商のホームページへ。

新型コロナウイルスに関連するその他の調査・レポートはこちら

関連リンク