調査
後継者「決まっている」「候補はいる」6割以上:日本公庫調査
2023年 11月 20日
日本政策金融公庫(日本公庫)が、2023年7~9月期「信用保証利用企業動向調査」で実施した事業承継に関する意識調査によると、「後継者が決まっている」と回答した企業が37.8%を占めた。「後継者候補はいる」との回答が27.0%にのぼっており、64.8%の企業が後継者を固めていることが分かった。
経営者の年齢層別にみると、後継者が「決まっている・候補がいる」との回答は50~60歳未満で52.1%であるのに対し、60~70歳未満になると、71.7%と大幅に増えており、60歳が後継準備に入る一つの節目になっていることが分かった。事業承継の時期については「今後10年以内」との回答が36.1%と前回調査(2022年1~3月期)と比べ、4.9ポイント増加した。
一方、「自分の代で廃業予定」と回答した企業は9.0%と前回調査と比べ4.1ポイント増えた。廃業予定の企業を従業員規模別にみると、「5人以下」の割合が約9割を占めた。廃業する(予定の)理由については「もともと自分の代で廃業予定」が56.8%と最も多く、次いで、「適当な後継者が見つからない」(31.3%)、「現在の事業に将来性がない」(30.4%)の順だった。
事業承継の課題に対しては「後継者の育成」との回答が51.8%と最も多かった。次いで「後継者の選定・確保」(27.4%)、「取引先との関係維持」(23.4%)が続いた。事業承継に関して金融機関や保証協会に期待する支援については「事業承継に役立つ税制面での情報提供」が最も多く、次いで「事業承継に関する借入の相談」「現経営者の担保・保証の解除」の順。事業承継に関する相談先は、「税理士、公認会計士」が最も多く、次いで「親族」「メーンバンク」の順だった。
調査は2023年9月中旬に全国9地域(北海道、宮城、東京、愛知、石川、大阪、広島、香川、福岡)の信用保証協会利用先1万6000社を対象に実施。回答企業の約80%が従業員20人以下の小規模企業で、有効回答企業数 は4125社(回答率25.8%)だった。
詳しくは、日本公庫のホームページへ。