調査

物流コスト増加分の価格転嫁実施率は3割にとどまる:日本商工会議所

2024年 8月 15日

日本商工会議所は全国の商工会議所の会員を対象に、トラックドライバーの時間外労働時間の上限制限規制に伴う物流2024年問題による影響を調査した結果を公表した。物流2024年問題による「マイナスの影響がある」と回答した企業は84.1%と8割を超えた。

マイナスの影響があると回答した企業のうち、具体的な内容として「物流コストの増加」を挙げた企業は90.5%と9割を超えた。次いで「長距離輸送の見直し等による納期の延長」(39.4%)、「物流の停滞による機会損失」(19.6%)が続いた。

物流コスト増加分を価格に転嫁できている企業は32.3%と3割強にとどまり、原材料価格等増加分の転嫁実施率(56.6%)と比べて低い水準となった。原材料価格等の転嫁は一定程度進んでいるものの、物流コストの価格転嫁については、まだ難航していることがうかがえる。

中小企業からは「運送業者から作業負担を理由に数社積み合わせでの運送を断られるようになった。自社のみでトラック1台を貸し切って手配する必要があり、運送コストが上昇した」(廿日市 建築材料卸売業)、「物流コスト、原材料が値上げしているが、販売価格に転嫁できず、利益を削りながら営業せざるを得ない状況」(越谷市 食料品製造業)などの厳しい声が上がっている。

詳細は日本商工会議所のホームページまで。

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