省エネQ&A

「省エネ」の英訳は?

回答

「省エネ」を普通に英訳すると“energy saving”や“energy conservation”でしょう。一方、経産省や省エネルギーセンターでは、省エネが節約だけではなく、エネルギーの効率的利用の側面も有していることから、“energy efficiency & conservation”と訳して使用しています。

「省エネ」は我が国のみならず世界中で推進されています。

「省エネ」を普通に英訳すると“energy saving”です。これを「節約」という意味のやや格式のある語“conservation”を使って“energy conservation”と訳すこともあります。

一方、経産省や省エネルギーセンターでは、「省エネ」を“energy efficiency & conservation”と訳して使用しています。

“energy efficiency & conservation”についてはeia(U.S. Energy Information Administration)が的確に説明をしています。

すなわち、

The terms energy conservation and energy efficiency have two distinct meanings. There are many ways people can use less energy (conservation) and many ways people can use energy more wisely (efficiency).

Energy conservation is any behavior that results in the use of less energy. Turning the lights off when leaving the room and recycling aluminum cans are both ways of conserving energy.

Energy efficiency is the use of technology that requires less energy to perform the same function. Using a compact fluorescent light bulb that requires less energy rather than using an incandescent bulb to produce the same amount of light is an example of energy efficiency.

エネルギーの節約とエネルギーの効率的利用と言う用語は、2つの異なる意味を有します。

エネルギーを少なく使う(節約)とエネルギーを賢く使う(効率的利用)には多くの方法があります。

エネルギーの節約は、エネルギーの使用を減らす行動です。部屋を出るときに部屋の照明を消したり、アルミ缶のリサイクルは、エネルギーを節約する方法です

エネルギーの効率的利用は、より少ないエネルギーで同じ機能を果たすための技術です。同じ照度を得るために白熱灯よりも少ないエネルギーで済む電球型蛍光灯を使うことは、エネルギーの効率的利用の一例です。

上記の通り、省エネは決して節約だけではなく、エネルギーの効率的利用と言う側面も有しています。

省エネ法の第一条では、「エネルギーの使用の合理化に関する所要の措置その他エネルギーの使用の合理化を総合的に進めるために必要な措置等を講ずること」を目的として謳っており、「エネルギーの節約」と「エネルギーの効率的利用」の両方を「エネルギーの使用の合理化」として表現していると考えられます。

このため、旧式の生産設備を高効率な生産設備に更新し、同じエネルギー使用量で生産量を増やす対策も立派な省エネ対策です。

なお、省エネ法の英訳は、“Act on the Rational Use of Energy”であり、“energy conservation law”は物理学の「エネルギー保存の法則」の意味があり、異なるものをイメージされるので注意が必要です。

回答者

技術士(衛生工学) 加治 均