省エネQ&A
デマンド監視装置について教えてください。
回答
うっかり一斉に生産設備を稼働してしまい、その30分間でのデマンド値が1年間の契約電力となることを監視する装置がデマンド監視装置です。デマンド監視装置には種々のタイプがあり、事業所の規模や必要とする機能等に合わせて最適なシステムを選定ください。
うっかり一斉に生産設備を稼働してしまい30分間以上電力使用がピークとなってしまうと、その30分間でのデマンド値が1年間の契約電力となります。そこで、このうっかりを監視する装置(デマンド監視装置)についてご説明します。
以下、デマンド監視装置の基本機能と活用方法について、東北電力株式会社のホームページを基にご説明します。
1. デマンド監視装置の基本性能
(1)デマンドを監視し、警報が出せます。
- 常にデマンド予測を行い、目標電力(契約電力)を超えそうな場合に、警報を出してお知らせします。
- 警報はブザーやパトライト、携帯電話へのメール等の方法で出すことが出来ます。
(2)電力データの見える化と管理ができます。
- パソコン上で最大需用電力(デマンド)や、電力使用量のデータ管理ができます。
- デマンドの出る時間帯を把握することで、節電のための運用管理にも役立てることが出来ます。
また、機種によっては、監視機能に加え、自動で負荷制御が出来ます。すなわち、デマンド超過の警報と同時に、あらかじめ設定した機器(空調機など)を自動的に停止させることが可能で、契約電力超過を防止します。(「デマンド監視装置」に制御機能が追加されているため、この機種は「デマンドコントローラー」と呼ばれます)。
2. デマンド監視装置の活用方法
(1)デマンド監視装置の設置者は、実施可能な節電アイテムをあらかじめ決めておき、「負荷遮断リスト」および「配置図」を作成します。
(2)デマンド監視装置の設置者は、電力の使い方を把握し、警報値(目標電力)を設定します。
(3)デマンド監視装置は、目標電力の超過が予測されると警報をブザーやメールで知らせます。
(4)デマンド監視装置からの警報やブザーにメールに基づき、デマンド監視装置設置事務所の関係者は、あらかじめ設定した「負荷遮断リスト」の優先順位に従い手動で停止します。(機種によっては、自動で停止することも可能です)
(5)デマンド監視装置の高度化活用事例として、
- 同じ規模の店舗同士を比較することで、消費電力の差を発見できます。
- 総量だけでなく個別の系統も計測することで、ピーク原因が見えてきます。
デマンド監視装置には、本格的なシステム導入型の機種や簡易に導入できる機種など様々なタイプがあり、デマンド監視装置と警報表示器やブザー等の間を結ぶ配線が不要な無線タイプも販売されています。また、個別系統(照明・空調・生産設備・ガス・重油など)を計測可能なものやデマンドデータと個別系統データを一元管理できる機種もあります。事業所の規模や必要とする機能等に合わせて最適なシステムを選定ください。
- 回答者
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技術士(衛生工学) 加治 均