省エネQ&A
水銀に関する水俣条約により工場の水銀ランプが使えなくなる?<高圧水銀ランプの代替品(2)無電極ランプ>
回答
無電極ランプは電極を電磁波に置き換えているため、水銀灯に比べ圧倒的な長寿命(6万時間程度)が実現でき、吊り橋、高速道路や街路灯、体育館などの高天井照明として、ランプ交換が困難な場所に採用されています。使用時の留意点として、無電極ランプと安定器との設置距離や設置方法に制限があります。
水銀灯では長時間の点灯・点滅による電極の劣化が寿命の主原因でした。これに対し、無電極ランプでは電極を電磁波に置き換えているため、水銀灯に比べ圧倒的な長寿命(6万時間程度)が実現できます。
水銀灯では長時間の点灯・点滅による電極の劣化が寿命の主原因でした。これに対し、無電極ランプでは電極を電磁波に置き換えているため、水銀灯に比べ圧倒的な長寿命(6万時間程度)が実現できます。
無電極ランプの発光原理は、上図の通り、従来の蛍光灯と同様に、蛍光体を内壁に塗布したガラス管内に、希ガス及び微量の水銀をアマルガムとして封入し、蛍光灯の電極にあたるコイルに高周波電流を流すことにより、フェライトコアに磁界を発生させ、この磁界によりランプ内に電界が発生します。この電界で放出された電子が水銀粒子に衝突し紫外線が放射され、この紫外線がランプ管内に塗布された蛍光体に衝突することで、可視光に変換され発光します。すなわち、無電極ランプは、蛍光灯と同じ発光原理で点灯原理が異なるランプです。
無電極ランプは、長寿命であることに加え、水銀灯やLED灯のようなまぶしさを感じず直視可能で、発光効率が高く省エネに貢献できるランプです(下表:出典はパナソニック(株)技術資料)。その他、瞬時点灯のためこまめな点・消灯も可能で演色性にも優れている等の特徴があります。
用途として、特徴である長寿命を活かし、レインボーブリッジや明石海峡大橋などの吊り橋、高速道路や街路灯、体育館などの高天井照明として、ランプ交換が困難な場所に採用されているなど、様々な場面で使用されます。
ただし、使用時の留意点として、無電極ランプと安定器との設置距離や設置方法に制限がある、ランプがガラス製のため取扱に注意する、水銀灯ほどではないが水銀を使用している、などが挙げられますので注意が必要です。
- 回答者
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技術士(衛生工学) 加治 均