省エネQ&A
誘導灯と非常灯の違いは?
回答
誘導灯と非常灯は、ともに正常時以外を想定し設置する防災照明器具です。誘導灯は初期段階の避難誘導を目的としており、照明器具に耐熱性を求めていません。他方、非常灯は消防隊の救助作業時の照明確保を目的としており、耐熱性と30分間非常点灯させた状態での照度を確保する必要があります。
誘導灯と非常灯は、ともに正常時以外を想定し設置する防災照明器具です。誘導灯は消防法で規定され、初期段階の避難誘導を目的としており、照明器具に耐熱性を求めていません。誘導灯には、大きく分けて避難口誘導灯と通路誘導灯があります(下図:出典はM社カタログ)。
誘導灯内部には蓄電池が内蔵されており、20分間以上は点灯させることができます。また、誘導灯を設置する建物が大規模施設・地下街・高層ビルであれば、避難に時間が必要なので60分以上点灯し続けられる「長時間型誘導灯」を設置します。誘導灯は安全のために欠かすことのできない設備ですが、蛍光灯の交換が必要であり、24時間毎日稼動するために多くの電気を消費しています。このため、蛍光灯型の誘導灯に代わってLEDを使用して省エネや維持管理の簡略化を図ることができる商品が主流となっています(下図:出典はM社カタログ)。
他方、非常灯(非常用照明器具)は建築基準法で規定され、劇場・病院・ホテル・博物館・百貨店などの特殊建築物、階数が3階以上で延床面積が500m2を超える建築物、延床面積が1,000m2を超える建築物や無窓の居室を有する建築物での設置が義務付けられています(下図:出典はT社カタログ)。
非常灯は消防隊の救助作業時の照明確保を目的としており、140度の火熱に30分間以上耐え、30分間非常点灯させた状態で床面1ルクス(蛍光灯の場合は2ルクス)以上の照度を確保する必要があります。この耐熱性の点から、非常灯へのLEDの採用は未だ認められていません。
- 回答者
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技術士(衛生工学) 加治 均