ビジネスQ&A

ものづくりに取り組む中小企業への支援はありますか?※中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律は廃止されました。以下は令和2(2020)年10月1日以前の情報です。

金属プレス加工業を営んでいます。不況の影響もあり、仕事自体が減少するとともに、受注価格も引き下げられるなど、同業者の廃業も相次ぐ厳しい状況にあります。高い技術を持ってものづくりに取り組む中小企業に対する助成金や低利融資などの支援策があると聞きました。具体的にどのような支援策があり、どのように利用すればよいのか教えてください。

回答

※「中小ものづくり高度化法」の廃止に伴い、「特定研究開発等計画」は中小企業等経営強化法に基づく経営革新計画に統合されました。以下は令和2(2020)年10月1日以前の情報です。

「中小ものづくり高度化法」における「特定ものづくり基盤技術高度化指針」に基づいた「特定研究開発等計画」を作成し、認定された場合には、さまざまな支援策を受けることができます。金属プレス加工は「特定ものづくり基盤技術」に指定されていますので、まずは最寄りの経済産業局にお問い合わせください。

【中小ものづくり高度化法と支援スキーム】
※中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律は廃止されました。以下は令和2(2020)年10月1日以前の情報です。

※中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律は廃止されました。以下は令和2(2020)年10月1日以前の情報です。

この法律は、平成18年6月13日から施行されています。この法律を活用して事業を円滑に進めるためには、その前提条件として、国が指定した「特定ものづくり基盤技術」に該当している必要があります。現在は、鋳造・鍛造・めっき・金属プレス加工・金型などの22技術が指定されています。

事業認定の流れは、「特定研究開発等計画」(研究開発計画の作成・申請方法は、下記関連情報参照)の作成→御社所管の経済産業局に申請→経済産業局による審査→事業計画の認定→認定書の交付→各種支援施策の活用となります。

ただし、はじめのステップとして、中小企業応援センター、中小企業基盤整備機構・所轄本部などに相談されることをお勧めいたします。

【認定後活用できるおもな支援施策】

事業が認定されますと、「助成金」「政府系金融機関による低利融資制度」「信用保証制度の普通保証等の別枠設定」「中小企業投資育成株式会社法の特例」「特許料および審査請求料の特例」などの支援施策を活用することができます。以下に、平成22年度に拡充された「助成金」「政府系金融機関による低利融資制度」についてご紹介します。

1.助成金(戦略的基盤技術高度化支援事業)

ご利用方法は、経済産業局に対して公募期間中に提案書を提出→経済産業局における審査・採択先決定→研究開発実施→成果報告→委託費を需給という流れになります。委託金額は1テーマ4,500万円以下(小規模事業者型(注)は2,300万円以下)、研究期間は2-3年です。平成21年度までは、研究開発段階までの取り組みに対しての支援でしたが、平成22年度からは試作段階まで支援対象が拡充されました。

(注)小規模事業者 常時使用する従業員の数が、20人以下(卸売業、小売業、サービス業にあっては5人以下)の企業

2.政府系金融機関による低利融資制度(日本政策金融公庫による企業活力強化資金)

平成21年度までは、下記(1)のみの融資対応でしたが、平成22年度から(2)が追加・拡充されました。

(1)基盤技術高度化への研究開発等に取り組む方への融資

「特定研究開発等計画」の認定を受け、最近の決算が赤字または債務超過、売上高や経常利益率が前年同期比で減少しているなどの要件を満たす場合、直接貸付7億2,000万円(うち運転資金2億5,000万円)、代理貸付1億2,000万円を限度額として融資を行います。

(2)試作品開発や新技術開発、販路開拓に取り組む方への融資

「ものづくり製品開発等計画書」を策定し、当該新製品・新技術に関する売上が、貸付後5年以内に1.5倍以上に増加することが見込まれる場合、直接貸付7,2000万円(うち運転資金4,8000万円)を限度額として融資を行います。

上記(1)(2)ともに、融資期間は設備資金20年以内(据置2年以内)、運転資金5年以内(特に必要と認められる場合7年以内、据置1年以内)となっています。どちらの融資の場合も、日本政策金融公庫の各支店にお問い合わせください。

回答者

中小企業診断士 金城 順之介

同じテーマの記事